【東大発AIベンチャー】ドライブレコーダー映像から個人情報を取り除くAIの開発に成功

TRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区本郷4-1-1 菊花ビル7F、代表:渡辺 琢真)は、筑波大学大学院の坂本航太郎氏らが考案した「ドライブレコーダー映像から個人情報を取り除くAI」の開発に成功した。改正個人情報保護法の公布により個人情報の取り扱いが注視される中、ドライブレコーダー映像の汎用的な使用を可能にする。

本取り組みの背景

ドライブレコーダー映像から個人情報を取り除くAI

近年、ドライブレコーダーの普及により、交通事故における情報の記録・処理が容易となってきた。
ドライブレコーダーを自動車に搭載すれば、事故の際の事実確認としての役割を果たすことはもちろん、映像を確認することで、自身の運転において危険な点を客観的に見つめ直すといったメリットもある。

一方、ドライブレコーダーに記録される映像には、顔や表札、車のナンバープレートなど、多くの個人情報が含まれる。
事業者の個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法遵守の義務がある。2020年6月12日には改正個人情報保護法が公布され、「保有個人データ」該当に必要な保有期間要件が撤廃されるなど、この規制は厳格化する傾向にある。

本技術の特徴

TRUST SMITH社が開発に成功したドライブレコーダーの映像から個人情報を取り除くAIは、個人の顔面や表札、車のナンバープレートなど、個人情報に関わる要素を全て自動で認識し、該当箇所をモザイクのように自動で消し込む技術だ。
この技術は、筑波大学大学院の坂本航太郎氏が中心となって考案・開発に成功したもので、大きく2つの特徴を持つ。

個人情報に関わる要素を全て自動で認識し、自動で消し込む

この技術は、筑波大学大学院の坂本航太郎氏が中心となって考案・開発に成功したもので、大きく2つの特徴を持つ。

オンプレミスでの映像処理が可能

既存の映像処理技術では困難だったオンプレミスでの処理が可能となり、ドライブレコーダーで撮影される映像に対して、リアルタイムで個人情報を特定し、取り除くことができる。

高精度での映像処理が可能

最先端の技術を活用した独自のライブラリにより、情報量の多い高精度の映像に対しても高速に処理することができる。

人物の判定(左)とナンバープレートの判定(右)
あらゆる個人情報に網羅的にモザイクをかけた様子

今後の展望

TRUST SMITHは、最先端の技術の実装により、より良い社会の実現を目指している。

同社はこれまで、トラックの自動運転技術の開発を始め、モビリティ分野での技術開発を進めてきた。
そして、今後モビリティの分野において、映像データから個人情報を取り除くAIの重要性が一層高まると推察している。
例えば、ドライブレコーダーにより蓄積された膨大な交通事故データを継続的に取得することができれば、交通事故の原因の識別や、交通事故の発生確率の予測が可能となり、交通事故の発生件数の削減の重要な布石となる。

今回開発に成功した映像データから個人情報を取り除くAIが社会に普及すれば、個人情報の取り扱いの観点で使用が制限されるあらゆる場面において、ドライブレコーダーの映像の取得が可能となる。
映像を活用したあらゆる領域において、本技術は、今後ますます必要不可欠なものとなるだろう。

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