【東大発AIベンチャー】集積回路用の新しい回路設計データを設計 〜既存のCPU企画を使用するより低コストで実装を実現〜

最先端のAI・ロボティクスの技術を活用したソリューション提供を行うTRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区、代表: 大澤 琢真)は、 新しいCPU(Central Processing Unit)命令規格、RISC-V(リスク-ファイブ)を用いて新しいIP(Intellecual Property)を開発した。

  • 開発の概要

TRUST SMITHは深層学習モデルを量子化する技術を開発した。
この技術はデータ処理速度を従来と比べて最大5倍にすることが可能で、従来のエッジAIで扱うことのできなかった大規模なモデルが比較的低スペックのマシンで動作することができる。

この量子化技術と組み合わせたAIアクセラレーターを実装することで、低消費電力な組み込みデバイスなど省電力性が求められる環境においてより高速に動作させることができる。また、従来より様々なモデルに柔軟に対応できるようになる。

  • 開発の背景

CPUは携帯電話や家電をはじめ工作機械や自動車など大小さまざまなシステムの制御に幅広く使われている。そのCPUを動作させるための規格として命令セットアーキテクチャ(ISA)があり、Armやx86が有名である。

近年はRISC-Vが注目を浴びている。前述のArmなどといったISAとは違い完全にオープンであるため、Armなどを利用する際にかかる高額なライセンス料を支払う必要がない。また、RISC-VはArmよりもAIアクセラレーターを取り込みやすいといったメリットもある。

よってTRUST SMITHはAIアクセラレーターの実装想定をし、RISC-VでのIntellectual Property (IP)を開発した。

  • RISC-Vを採用するメリット

RISC-Vはライセンス料が無料になるというメリットのみでなく拡張性の面でもメリットがある。

例えば、浮動小数点の計算機能の取り外しが簡単に可能で、マイクロコントローラー(MCU:Micro-Control Unit)MCUといった用途からLinuxマシンなど高機能な用途まで、コンパイラの構成を大きく変えることなく実装することが可能である。

  • 今後の展望

TRUST SMITHは本技術のみならず、
・AGVや無人フォークリフト等を始めとした工場内・倉庫内の自動化機器といったハード製品
・トラックへの製品積み込み最適化アルゴリズムや配送計画最適化アルゴリズムといったソフト製品
など製造や物流といった産業の効率化に欠かせない製品を開発している。

今後はそれらとRISC-Vの量子化技術を用いてより広範な顧客に向けて同社のソリューションを提供する。
また、同様の量子化技術を持つような企業とも連携していく考えだ。
それにより、工場内・倉庫内の効率化・自動化をより推進していく。

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